植物の育て方「モンステラ」

ひとつひとつの葉に自由自在に穴が開いているモンステラはとても人気のある観葉植物のひとつです。長年育てていくと気根が育ち、その気根が複雑化すると芸術的にかっこよく素敵な空間を作ってくれます。そのモンステラに魅了され、STEORのステンレスの葉っぱもモンステラからはじまりました。

モンステラに関する困りごとや質問をたびたび聞くことがあります。
「育て始めて2年も経つと葉がとっちらかってしまい、どうすればきれいにお部屋に置くことができるのか?」、「根っこみたいなものは切っていいの?」、「葉っぱの穴があかないのはどうしてか?」など困りごとは様々です。その困りごと、ひとつずつ解決していきます。

植物と一緒に暮らすときに重要なこと、その植物の植生を知ることが重要です。
どんな土地で、どんな気候のところで、どのように生きているか。そこから、その植物を迎えるには家の中のどのような場所で、どんな風に育てれば元気に育ってくれるかのヒントがたくさんあります。
今回はモンステラをその植生から考えていきます。


学名:Monstera deliciosa
和名:ホウライショウ  その他の名前:デンシンラン、ペッサム
科名 / 属名: サトイモ科 / ホウライショウ属(モンステラ属)
原産地・分布: 熱帯アメリカ
生活型: 常緑 つる性草本(自立せずに他のものを支えに成長する草)
生活様式: 地生・着生

育て方:
水やり:葉水:春~秋は土の表面が乾いてきたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理するほか、霧吹きで葉水を与えます。
置き場所:明るいカーテン越しの光がおすすめです。秋~春は日当たりのよい場所、真夏は直射日光を避けた半日陰がよいです。日陰にも耐えますが、株が間延びして軟弱になります。肥料:春から秋の生育期に、緩効性化成肥料を2か月に1回施します。冬でも、暖かい室内に置いている場合は新芽が成長する場合がありますので、そのような株には肥料を施し続けてください。成育適温は15度以上です。
土:水はけと水もち、通気性のよい肥沃な土壌を好みます。(観葉植物の土は基本この性質です)病虫害:カイガラムシ、ハダニがあります。乾燥を好むので葉水をすると良いです。耐寒性: 弱い (5度以上)
耐暑性:強い
耐陰性:強い
育成難易度:育てやすい特記:モンステラの茎葉に含まれる汁には毒性のある「蓚酸(しゅうさん)カルシウム」という成分が含まれています。この成分は皮膚をかぶれさせたり、粘膜が付くと炎症を起こすなどの症状があります。また、犬や猫が間違って食べないように注意が必要です。特に切り戻しなどの作業の際には注意するようにします。ホウライショウ(Monstera deliciosa)など一部の種では果肉を果物として食べます。

「葉がとっちらかってしまうのはどうしたらよいか?」

まず、こちらの情報からわかることは、モンステラはつる性の着生もしくは地生植物とあります。原生地では他植物などを支えに這い上がって伸びていくことがわかります。そこからわかることは最初販売されているときは支えがない若い状態でお家に来ることが多いですが、成長するにつれ捕まるものが必要なことがわかります。なので、上から吊るすもしくは支柱で上に向かって育てることでとっちらからないようになります。そしてそのように自然な成長状態を見せることで部屋の中でもとても活き活きと素敵に見せることにつながります。(この手法についてはいつかCOLUMNで記載したいと思います。)

「根っこみたいなものは切っていいの?」

そしてモンステラが這い上がっていくときに、多くのモンステラの種類では、節から気根を出しながら他のものに付着し成長していくことも見てとれます。この気根あまり好きでない方もいらっしゃいます。「これは切っても良いですか?そもそもなんですか?」という質問は多く耳にします。
気根は空気中に出てくる根のようなもので、茎から出てきて周囲の水分を吸います。そして気根は葉のように水分の吸水、発散を行います。新しい気根は緑色をしていて、ときが経つと茶色くなっていきます。気根は土に達すると土中に伸び根となります。他の植物の幹などに辿り着いた場合には巻きついて水分や栄養を吸い取り、更にそこを足がかりとして根を張り成長していきます。また、伸びてきた幹や葉を支えるのに役割もします。なので全体のバランスを見て不要な部分を切り取ると良いです。
モンステラを増やしたいと考えている場合も気根が重要です。空気中にある気根を利用して挿し木を行うことが可能です。気根が出ていなくても葉の付け根の茎の部分が膨らんでいるときは、そこから気根が出てくるので根付きやすいです。部分ごとに切り分け、葉は一枚残す程度に挿し木をします。モンステラは非常に生命力が強いので葉を全て落としても育つ場合があります。
水分や栄養を求めてじわじわと成長する気根はまるでとってもゆっくりな動物のように感じてしまいます。その力強い存在感に魅了されてしまいます。

「葉っぱの穴があかないのはどうしてか?」

モンステラは、生えたばかりの葉はハート型の葉で、育つにつれて割れてきます。葉が割れないときや、割れない葉が数枚あったりしたら、様々な原因が考えられます。例えば、日の当たりすぎや当たらなすぎ、肥料の過不足、水の過不足、根詰まりや病害虫があります。まずは基本の育て方ができているかを確認し、問題点を解決していきます。育て方を見直して適切に育てれば元気に育ってくれることでしょう。